ピーター・バーンスタインの好著「ゴールド」を一週間かかって読み終わりました。
金(ゴールド)が人類史に果たしてきた役割と、人がいかにこの魔性の金属に魅入られてきたのか、
年代を追って様々な逸話を挿入しながら説明されており、非常に興味深かったです。
ついでに、個人的にずっと感じていた「何故ロシア(≒ソ連)はあれだけの大国になれたのか?」
という疑問に、ゴールドの大産出国であったという形での答えが今更ながら分かりました。
著者は終わりに、ドルが通貨としての信用を完全に失うことがあっても、ユーロ、円などの
通貨がある限りはもうゴールドには通貨としての役割がまわってくることはないだろう、と考察しています。
しかし、現状まさに各通貨への不信感により、民間から中央銀行までゴールドの買い付けにはしり、
連日新高値更新のニュースを聞く羽目になってしまっています。
ドルの単独基軸通貨制から、緩やかに多極化に向かうというのが一般的な見方ですが、果たして・・・?
この著作で通貨、金融の歴史の流れを追ってみて、完全なドル本位制と変動相場制に移行してから、
まだ30年程度しか経っていないことに改めて気が付きました。
自分が思い込んでいるほど、現在の制度は長い伝統に支えられた確固たるものではないのでしょう。
通貨制度に限らず、現状は常に次の制度への移行の過渡期に過ぎないのかもしれません。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E2%80%95%E9%87%91%E3%81%A8%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E6%96%87%E6%98%8E%E5%8F%B2-%E6%97%A5%E7%B5%8C%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E4%BA%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3/dp/4532192692
尚、補足資料としては佐藤賢一の「英仏百年戦争」がお勧めです。
金融関連にはほとんど言及されていませんが、近代欧州各国の主要国のそもそもの成り立ちが良くわかります。
少し前に読んだ本なので細部は忘れてしまいましたが、要は百年戦争はフランス王家同士の内戦の様なもので、
当時のフランス王家の勢力、正統性というのは、ちょっと現代からは考えられない程確たるものだったようです。
それでも、各国の大貴族の利害関係の諍いは近代国家の陸軍と海軍の対立どころではなく、
それで戦況ががらりと変わってしまうこともしばしばあったようですから、
国家というより血統に対する信仰、価値によるものだったのでしょう。
http://www.amazon.co.jp/%E8%8B%B1%E4%BB%8F%E7%99%BE%E5%B9%B4%E6%88%A6%E4%BA%89-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E8%B3%A2%E4%B8%80/dp/408720216X
上記百年戦争の様子と当時の空気を感じたいのなら、同じく佐藤賢一の「傭兵ピエール」がお勧めです。
戦勝者による略奪は当たり前、どんな目に合おうが生きていればめっけもん、という殺伐とした
時代であったことを描く一方で、憎めない傭兵隊長の成功譚と聖女とのラブストーリー付きという名作です。
ちなみに作中でも、主人公ピエールの傭兵団が捕虜となった仲間の釈放に身代金を払うシーンがありますが、
経理役に「質の悪い硬貨」で支払うよう指示して実質の出費を半分くらいに済ませています。
信用で成り立っている現代の紙幣でなく、磨滅する銀貨、金貨という現物だったからこその描写ですね。
http://www.amazon.co.jp/%E5%82%AD%E5%85%B5%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E8%B3%A2%E4%B8%80/dp/4087751961
挙げる順番が逆になってしまいましたが、「ゴールド」で記述されている14、15世紀頃の欧州の様子や、
フランス、イングランド(イギリス)という2大国の関係をなんとなくでも把握するために、
「傭兵ピエール」あたりから読み始めた方がとっつきやすいと思います。
2009年11月18日水曜日
事業仕分けを傍観して
各種媒体で事業仕分けについて様々な報道がされており、ちょっと自分なりに考えてみました。
ちなみに、平成21年度の一般会計補正後予算の概要はこちら。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/002.htm
社会保障関係費(28.2兆円)、国債費(20.3兆円)、地方交付税交付金等 (16.6兆円)の
三つで予算全体の約6割以上を占めています。
ダムやら道路やらで何かと槍玉にあがる公共事業費は9.2%を占めるに過ぎず、
「NO.1になる必要はあるのか」で議論を呼んでいる文教及び科学振興は6.6%でしかありません。
翻って、社会保障費は高齢化の進行による医療費増、民主党の公約の子供手当てなどで
来年度予算ではさらに膨張することが予想されます。
桁が大きすぎてピンと来ませんが、10兆円の1%と100億円の50%、どちらか削減するなら
どちらの方が絶対額が大きくなるか、ちょっと考えてみればすぐ分かると思います。
こうした考え方をパレート分析というらしいです。
http://www.nsspirit-cashf.com/logical/pareto.html
こうした作業を、TVやtwitterでまで公開して一般にオープンにしようという姿勢は良いと思います。
民主党の人気取りだという人もいますが、これが彼らの人気に結びつくかどうかは
彼らが本当に合理的で正しい判断をして、我々有権者に支持されるかによります。
こんなことまでして予算を縮小しようということは、当然民主党は国家財政に対する
危機感をある程度は持ってくれているんでしょう。
ただ、100億円単位の無駄をちょっとやそっと減らしたところで、(勿論それは必要なことなんですが・・・)
大勢は変えられないのではないでしょうか?
まずは個別案件で官僚を責めるよりも、全体の予算の規模を策定して、
どの程度の金額をどのような目的で何に使っていくのか、ということを示さないと
徒労に終わるのではないでしょうか。
ちなみに、平成21年度の一般会計補正後予算の概要はこちら。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/002.htm
社会保障関係費(28.2兆円)、国債費(20.3兆円)、地方交付税交付金等 (16.6兆円)の
三つで予算全体の約6割以上を占めています。
ダムやら道路やらで何かと槍玉にあがる公共事業費は9.2%を占めるに過ぎず、
「NO.1になる必要はあるのか」で議論を呼んでいる文教及び科学振興は6.6%でしかありません。
翻って、社会保障費は高齢化の進行による医療費増、民主党の公約の子供手当てなどで
来年度予算ではさらに膨張することが予想されます。
桁が大きすぎてピンと来ませんが、10兆円の1%と100億円の50%、どちらか削減するなら
どちらの方が絶対額が大きくなるか、ちょっと考えてみればすぐ分かると思います。
こうした考え方をパレート分析というらしいです。
http://www.nsspirit-cashf.com/logical/pareto.html
こうした作業を、TVやtwitterでまで公開して一般にオープンにしようという姿勢は良いと思います。
民主党の人気取りだという人もいますが、これが彼らの人気に結びつくかどうかは
彼らが本当に合理的で正しい判断をして、我々有権者に支持されるかによります。
こんなことまでして予算を縮小しようということは、当然民主党は国家財政に対する
危機感をある程度は持ってくれているんでしょう。
ただ、100億円単位の無駄をちょっとやそっと減らしたところで、(勿論それは必要なことなんですが・・・)
大勢は変えられないのではないでしょうか?
まずは個別案件で官僚を責めるよりも、全体の予算の規模を策定して、
どの程度の金額をどのような目的で何に使っていくのか、ということを示さないと
徒労に終わるのではないでしょうか。
2009年11月5日木曜日
USD LIBOR in October 2009
2009年10月22日木曜日
お金にだらしない国
諸事繁忙なうちに、いろいろ深く考えたいニュースが沢山あった。
そのうちの一つで既に旧聞に属するものではあるが、
2010年度の概算要求も固まってきたらしく、90兆円超になるらしい。
選挙前に喧伝したマニフェストをきちんと遂行しようとする姿勢は評価できるが、
税収40兆円で90兆円以上を支出するって、どうなんだろう。
国債を発行して資金調達するしかない訳だけど、結局それって借金ですよね?
日本国債はほとんど日本人(及び法人)が買ってるから問題ない、とかいう話もきくけど、
どんな長期でも(20年とか30年とか)償還(払い戻し)の時は来る訳で、
その時に新たな引き受け手がいるんだろうか?
海外では有力経済誌ですら「日本はほぼデフォルト(破綻)してるようなもの」と言う位だし、
現状の金利1.5%くらいじゃ外国の人は誰も日本に金を貸してくれないだろう。
最終的には、まじめに返済するかインフレを起こすかにならざるを得ない。
返済するには、支出(例え必要な公的補助などであっても)を減らして、収入を上げて(増税)
ちまちまと健全な形に戻していくしかないですね。
踏み倒すには、ハイパーインフレ起こして100兆円の借金の実質価値を落とすしかない。
ジンバブエで起こったみたいに、ランチ一食500万円とかにすれば、100兆円の借金も
100万円くらいになるから返済も簡単。
まさかそんなことにはならないでしょ、と自分でも考えてるけど、
新旧問わず歴史を振り返れば当時の人からすればまさかの連続で、
振り返ってみると当然の帰結のように見えることなんて腐るほどある。
あまり可能性を過小評価しない方がいい。
そのうちの一つで既に旧聞に属するものではあるが、
2010年度の概算要求も固まってきたらしく、90兆円超になるらしい。
選挙前に喧伝したマニフェストをきちんと遂行しようとする姿勢は評価できるが、
税収40兆円で90兆円以上を支出するって、どうなんだろう。
国債を発行して資金調達するしかない訳だけど、結局それって借金ですよね?
日本国債はほとんど日本人(及び法人)が買ってるから問題ない、とかいう話もきくけど、
どんな長期でも(20年とか30年とか)償還(払い戻し)の時は来る訳で、
その時に新たな引き受け手がいるんだろうか?
海外では有力経済誌ですら「日本はほぼデフォルト(破綻)してるようなもの」と言う位だし、
現状の金利1.5%くらいじゃ外国の人は誰も日本に金を貸してくれないだろう。
最終的には、まじめに返済するかインフレを起こすかにならざるを得ない。
返済するには、支出(例え必要な公的補助などであっても)を減らして、収入を上げて(増税)
ちまちまと健全な形に戻していくしかないですね。
踏み倒すには、ハイパーインフレ起こして100兆円の借金の実質価値を落とすしかない。
ジンバブエで起こったみたいに、ランチ一食500万円とかにすれば、100兆円の借金も
100万円くらいになるから返済も簡単。
まさかそんなことにはならないでしょ、と自分でも考えてるけど、
新旧問わず歴史を振り返れば当時の人からすればまさかの連続で、
振り返ってみると当然の帰結のように見えることなんて腐るほどある。
あまり可能性を過小評価しない方がいい。
2009年10月6日火曜日
土浦全国花火競技大会
先日の週末は土浦行って花火競技大会を「観戦」してきた。
菊と呼ばれる一発ものの花火と創作花火(よく見ればきのこに見える、など)と
連発もののスターマインをそれぞれ部門ごとに出来を競うというもの。
とは言え、当日その場で優勝者が分かる訳ではないので悪しからず。
審査員の人選も外国の人を入れたり、もっと面白い人を選べばいいのに自治体のお偉いさんとか
経済産業省の課長とか、お固いひとばっかりでちょっと残念。
スターマインの打ち上げは3分くらいかけて、フィギュアスケートみたいにテーマ音楽をかけて
ボンボン花火を打ち上げまくるというちょっと変わった趣向。
音楽と花火の組み合わせも、うまくマッチしているものだと非常に趣がある。
欧米人なんかはこういう楽しみ方好きそうだ。
5年前の年季の入ったデジカメとしょぼい撮り手ではこんな迫力も臨場感もない写真になってしまうが、
地理的に可能な方は是非一回行ってみることをおすすめしたい。
土浦の街のヤンキーの多さにさえ気を付ければ、楽しめること請け合いである。

菊と呼ばれる一発ものの花火と創作花火(よく見ればきのこに見える、など)と
連発もののスターマインをそれぞれ部門ごとに出来を競うというもの。
とは言え、当日その場で優勝者が分かる訳ではないので悪しからず。
審査員の人選も外国の人を入れたり、もっと面白い人を選べばいいのに自治体のお偉いさんとか
経済産業省の課長とか、お固いひとばっかりでちょっと残念。
スターマインの打ち上げは3分くらいかけて、フィギュアスケートみたいにテーマ音楽をかけて
ボンボン花火を打ち上げまくるというちょっと変わった趣向。
音楽と花火の組み合わせも、うまくマッチしているものだと非常に趣がある。
欧米人なんかはこういう楽しみ方好きそうだ。
5年前の年季の入ったデジカメとしょぼい撮り手ではこんな迫力も臨場感もない写真になってしまうが、
地理的に可能な方は是非一回行ってみることをおすすめしたい。
土浦の街のヤンキーの多さにさえ気を付ければ、楽しめること請け合いである。
2009年10月1日木曜日
2009年9月29日火曜日
要人発言への恨み言
更新できなかったので、相場に対する恨みごとを・・・。
結局昨日は財務大臣の発言で相場は乱高下。
円高容認発言をしていたのに、月曜午後には翻って
「何も対策をしないとは一言も言っていない」と介入を匂わせる発言をした。
円高容認で輸入物価を押し下げて内需拡大、という一応筋の通った論理で
頑張りぬくつもりなのかなと思ったら、一日もしないうちに白旗を揚げてしまった。
ここで確認できたことは・・・
1.皆隙があればUSDJPYを売りたいと思っている。日本の実態はともかく、
USDを持っていたくないということの証左であろう。
2.財務大臣のマーケット感覚のなさ。或いは覚悟のなさ。
結局昨日は財務大臣の発言で相場は乱高下。
円高容認発言をしていたのに、月曜午後には翻って
「何も対策をしないとは一言も言っていない」と介入を匂わせる発言をした。
円高容認で輸入物価を押し下げて内需拡大、という一応筋の通った論理で
頑張りぬくつもりなのかなと思ったら、一日もしないうちに白旗を揚げてしまった。
ここで確認できたことは・・・
1.皆隙があればUSDJPYを売りたいと思っている。日本の実態はともかく、
USDを持っていたくないということの証左であろう。
2.財務大臣のマーケット感覚のなさ。或いは覚悟のなさ。
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