いつも刺激的なエントリーを発してくれる、elmさんのブログ
今回は日本の活性化のための高機能移民増について触れている。
移民もまた人間である
http://d.hatena.ne.jp/elm200/20100727/1280182807#tb
日本の閉塞感を打破するためにも、高機能移民を誘致すべしとするelmさんに対し、
今更斜陽の日本になんて優秀な人は誰も来ないとか、犯罪が増加するのではとか、
これまでの文化の変質なんかを危惧するコメントがついている。
自分はこのエントリーを読んで、大学で受けた都市社会学の授業を思い出した。
英国帰りの優しいソフトタッチのおじさんだが、切れ味鋭い話を
合間合間にしてくれるので、単位とは関係なかったが良く出席した。
その授業の一こまで、イギリスの社会構造の話の一環で、サハラ以南の国の看護士が
高収入を求めてイギリスに渡っているという話が出た。
イギリスでも日本と同様に3K労働の看護士が不足しており、
旧植民地の英語を理解する有資格者を誘致しているとのことだった。
教授は、彼らの様に選択的に移住することを「自発的ディアスポラ」と言っていた。
ディアスポラとは、ユダヤ人(に限らず特定の民族)が居住地から
強制的に移住させられたことを指す。
古代は政治的圧力で強制させられたことを、現代は経済的理由で選択的に行っている、
という事実に驚き、このフレーズが頭から離れなかった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%A9
現代日本の話に立ち返って、紹介したブログのコメント欄でも指摘されているが、
今後日本の凋落が更に進んで魅力を失っていくようなら、
若い世代の自発的ディアスポラが進んでいくと思う。
彼らにとってはビジネス共通言語としての英語の壁も低いだろうし、
地元(日本)に残す家族・友人ともメールやスカイプで簡単かつ安価に
コミュニケーションを取ることが出来る。
いざ住むとなると外国は治安が心配だ、と考える人もいるかもしれないが、
よほどの国でなければ場所と時間帯と服装に気を付ければ、概ね問題ないと思う。
今後は経済に寄与する人口の維持(守り)も考慮しないといけなくなるのだろう。
能力の高い人が日本を選んでくれるように、かつ今後日本に生まれる人がそのまま
日本に住み働いてくれるような、社会にしていかないといけない。
ただ、職場の先輩から聞いた話だが、今年の伊藤忠の新入社員相手に海外赴任の
希望の有無を挙手で尋ねたら、全体の1割くらいだったそうな・・・・。
しばらくは流出の心配はなし、なのかも?
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