2009年5月19日火曜日

書評2 メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学
光文社文庫   松永和紀 著

食品に関しては「これが○○に効く」「○○は危ない」など、
身近に耳目を集める話題が、日々表れては消えていくが、
果たしてその中のどれほどが信頼に値するものなのか?

特に、下記の様に考えている方は本著を一読することをお勧めしたい。
・野菜は無農薬で育てた方が体にいいに決まっている。
・残留農薬は例え僅かでも、健康に深刻な被害をもたらす。
・TVで特集された健康食材に、自ら検証せずに飛びついてしまう。
・無添加の表示がないと、安心して食卓に出せない。
・同じ値段ならマイナスイオンの出るエアコンを買う。



上記は科学的には(前提条件は付くにしても)全てNOもしくは
根拠のないものである場合がある、という。

作中では著者が様々な「ニセ科学」「ニセ情報」について、
科学的根拠や権威ある学術論文に基づいて真偽、整合性を論じている。
ただ、今度は著者の言うことが本当に正しいのか?という疑問が当然
湧いてくる。勿論、作中では科学的根拠に基づいた説明がなされているが、
それを鵜呑みにしたのでは著者の言う「ニセ科学」の盲信にいつ
ひっかかってしまうかも分からない。

結局、全ての情報は自ら吟味し判断せよ、ということになるのだろうが、
科学的知識のない素人が学術論文読んでも理解するのは難しいだろう。
情報の氾濫、というのは陳腐な表現になるが、情報の適切な
運用という点ではまだまだ改善、向上の余地があるように思える。

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