2009年7月30日木曜日

私のバブル:市井の人の追憶

先日、友人、妻と一緒に隅田川の花火大会を観に行った。
雨の心配なぞどこへやら、突き刺す様な日差しの下で場所取りをし、無事最後まで見終わってから
さて帰ろうと駅まで行くと、地下鉄の階段すら降りられずにずらずらと長蛇の列が・・・。
電車を待った上に鮨詰めになるのは分かりきっていたので、タクシーを捕まえることに。
運良くさほど待たずにつかまえたタクシーの運ちゃんと話してるうちに、話題は最近の不景気と
対照的なバブル時代のことに及んだ。


「バブルの頃ですか?凄かったらしいですね、自分はその頃この仕事してませんでしたから、
先輩から聞いた話なんですが聞いてほんとびっくりしますよ。赤坂あたり流してたら
万札が数枚フロントガラスにたたきつけられて、「これで六本木まで行ってくれ!」ですって・・。
いくら深夜料金ったって、赤坂から六本木なんてせいぜい2千円でしょ?それなのにねぇ・・・。
あと、ラーメン食いたいから札幌まで行こう、とか箱根まで温泉入りに行って、
3時間待っててくれたら帰りもお願いしたい、とか珍しい話じゃなかったらしいです・・・。」
「いやー、すっごいですねぇー・・・。想像もできないですねー・・・。
そういう時がまた来てほしいと思います?」
「いや、やっぱり良くないですよ。なんだかんだ言って、バブルはとうに終わったと頭では分かってても、
そういう良い時を基準に物事考えちゃいますからね。逆に自分はその時を知らなくて良かったって思いますよ。」


バブル時代の話を生で聞くと、自分のような若造にはやっぱりインパクトがある。
自分が就職活動中にネットで見た話だと、内定者を軟禁するために海外旅行に連れていったり、
資料請求するだけで内定が出たり、入社式は豪華客船の上でパーティーだったりとか、
不景気しか知らない自分達を担ごうとしてるのか?というくらい現実感のない話ばかりだった。

そういえば、先日職場の40台前半の上司と焼肉に行った時の話。上司の青春の大学時代~新入社員時代の
思い出話に花が咲いて、ひと段落したところで聞いてみた。
「またいつかバブルみたいな時が来るでしょうかね?」
「いやー、あれはもう来ないだろー・・・。でも、ほんと懐かしいなー・・・」
この上司は金融業界出身なので、バブルのもっともバブルらしい環境を堪能した筈で、
思い出話ということもあってとても懐かしそうに話していた。


いやはや、このバブルってのも失われた10年の契機とか日本の凋落とか、歴史的な意味だけでなく
個人個人の行いという意味でも、長らく語り継がれることになるだろうな。

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